尋常性白斑は慢性的な皮膚疾患であり、俗に「しろなまず」と呼ばれています。
皮膚の色素を作る組織(メラノサイト)の損失によって起こるとされてますが、その原因は自己免疫説、神経障害説などがあり、定かではありません。汎発型と、若年者に起こる神経分節型があり、汎発型を発症した場合は徐々に症状が全身に広がっていくと言われています。
時間とともに全身が徐々に白くなっていくようです。白くなった部分は、紫外線を防ぐものが無くなるので気をつけないといけません。また当然のことながら、白くなった部分は色素が消えているので、日焼けが出来なくなります。最初は体に小さな脱色部分があるのに気づきます。そして、それらが増えると同時に拡大して行きます。
皮膚科では、症状が改善する可能性が多少あるかも知れないという塗り薬をもらいます。また、脱色部分を隠すためのファンデーションを取り扱っているところを紹介してくれる場合もあるでしょう。そうなると、たとえ男性でもメイクのし方を学ばなければならないかもしれません。
他に治療法はステロイドの使用、紫外線治療、皮膚移植などがあります。発症期間が長期に渡れば、治りにくいと言われています。もし急速に多発するようなら、ステロイド内服を併用します。1日2錠を連日投与し、進行が止まるのを確認しながら1/4〜1/3量ずつ減量して半年くらいで服用を中止します。
また、少し専門的になりますが、タクロリムス、活性型ビタミンD3の有効性が指摘されています。紫外線療法は有効性が高く、副作用の少ない狭波長域(narrow band)UVBが第1選択として使用されています。内服PUVAも有効ですが、眼への影響のため昼間の入院治療が必要になると考えられます。内服PUVAに比べ、外用PUVAの有効性は劣り、狭波長域UVB照射は週2〜3回、最小紅斑量(MED)の70%程度の照射量から開始して徐々に増やしていき、少なくとも6ヶ月は続けます。
外科的療法が行われることもあり、患者さんの健常皮膚から吸引水疱で得た表皮を、白斑部に作成したびらん面に移植します。生着後の療法として狭波長域UVB照射や外用PUVAを併用することもあります。
この病気に伝染性や遺伝性はなく、他の身体疾患を誘発したりしないとされていますが、患者にとっては外見の問題からくる精神的負担が大きいでしょう。全人口の1〜2%が、いずれかのタイプの尋常性白斑の症状を持っているという統計もあります。マイケル・ジャクソンだけでなく、森光子さんも尋常性白斑を患っていることで知られています。
マイケルは1980年代に発症したと見られ、年を追うごとに皮膚の色が変化していくことについて、さまざまな憶測を呼びました。’93年には肌の色の変化は病気によるものだと告白しています。そのせいで病気のことが広く認知されるようになったのですが、それでもなお「人種的なコンプレックスがあり、故意に皮膚を漂白した」と認識している人も多いようです。
マイケルが病気に対する偏見や誤解によって、精神的ダメージを受けていたことは容易に想像できます。彼は成功しながらも数奇な運命をたどり、50年というあまりにも短い人生を駆け抜けました。マイケル・ジャクソンには、どうぞ安らかにと言わせてもらいます。
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posted by furisukii at 00:00|
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