献体の事情 遺体はその後どうなるのか

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旬日記

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2009年07月29日

献体の事情 遺体はその後どうなるのか



「脳死は人の死」


とする改正臓器移植法(A案)が13日に国会で可決・成立したことについて、献体登録者らでつくる秋田大医学部白菊会の佐藤清作会長(80)=横手市平鹿町=は14日、「難病を抱える人や家族に生きるチャンスを与えるもの」と思いを語りました。



佐藤さんは83年、白菊会に入り、04年から会長を務めていますが、献体登録者は自らの遺体を解剖学実習に役立てるため提供しています。別途登録で献眼や献腎もできますが、特典はありません。



今回の法改正について佐藤さんは「国内で子供の臓器移植ができるようになる意義は大きい」と評価しています。ただ次期衆院選との絡みで慌ただしく採決されたことについては「永田町(国会)のドタバタ騒ぎの中で、取引材料にされた感も否めない」と疑問を感じています。



佐藤さんは「死生観は、たとえ家族でも個々に違う」と指摘したうえで、「医学界の発展はどこまでも求められるもので、(改正法)成立は一歩前進。しかし併せて『医の倫理』という課題もあり、もう少し実態を見て進めてもよかったのではないかと思う」と話していました。



今日は献体について考えてみます。



最近、社会情勢の変化につれ、献体登録希望者が増えすぎて、登録を希望しても断られるケースが増えています。



ある方は献体の制度について、何回も説明を受けていました。しかし、3年ほど前に登録しようとすると「臓器提供が可能な年齢の方は、そちらにお願いできないでしょうか」と、やんわり断られました。つまり解剖実習に使う遺体は余っているわけです。



遺体が使われるのは解剖実習のみで、技能向上トレーニング(つまり手術の練習)には使用できないことになっています。そんな厳しいルールがある現状では、必要な遺体の数は限られていて、供給(遺体)の増加に需要(解剖実習)がついていってません。



ある国立大卒の医師は、「本当に役立つ勉強をさせていただきました。私が解剖させていただいた方のお顔は一生忘れません。(名前などは一切伏せられていますので・・・)」と語っています。



「そんな自分の経験上、私は献体などできません。臓器移植をしたいと思い、カードは一応持っていますが・・・。でも本当に献体をして下さる方には頭が下がる想いです。遺族にお金が入るとか、献体を取り仕切っている組織に莫大なお金が入るとか、色々な話も聞きますが、本当のところは分かりません。しかし、しっかり勉強をさせていただきました。しかも国のお金で・・・皆さんの税金で・・・。」



医学の進歩、医師の育成に献体は欠かせないようです。別の医師の言葉も聞いてください。



「献体は“技術向上トレーニング”のために行うものではありません。解剖実習のためのものですから、ひとつの大学で年間必要な献体数は決まってしまいます。学生は5〜6人で1チーム組むと思いますので、100人の学年なら20体、80人なら16体あれば足ります。」



「また、遺体を粗末にすることも当然禁じられ、私の大学では手袋の使用も許されず、素手で解剖させられました。脂で手がヌルヌルになり、臭いも抜けません。しかし、献体してくださった方の遺志を尊重するようたたきこまれました。また、保存のためアルコールを使う関係で、遺体は水分が無くなっており、技術のトレーニングには向きません。トレーニングなら動物の方が向いています。」



次は将来献体を考えている人たちの声です。



「身寄りのない人間は、献体すれば入院費用が掛からないとか、献体すれば火葬された後、無縁仏として葬ってもらえると聞きました。
子供がいないとか連絡が一切取れないと訴えて、子供に経済的負担を一切かけず、無縁仏になることは可能なのでしょうか?
献体以外でも、そういった(子供に経済的負担をかけない)方法があれば教えていただきたいのです。」



切実な状況の方もいるんですね。しかし現状では難しいようです。親が献体を希望しても、全部の手続きに子供の同意が必要です。子供が拒否するかもしれません。医療関係者も子供に引き取りを勧めるでしょう。
献体すれば医療費が無料になるというのは、本当に身寄りがなく、そういった遺族に対する説明や手続きが必要ない場合に限られます。







posted by furisukii at 13:45| 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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