日本郵政の西川善文氏の処遇で鳩山総務相辞任 

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旬日記

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2009年06月13日

日本郵政の西川善文氏の処遇で鳩山総務相辞任 




鳩山邦夫総務相が辞任しました。


事実上、内閣の方針に従わないという理由で更迭されたわけです。その引き金になったのは、総務相が認可権を持つ日本郵政の社長人事でした。



「かんぽの宿」の一括譲渡を「出来レース」と主張する総務相は、西川善文社長の続投に一貫して反対してきました。鳩山氏はこれまで、「かんぽの宿」売却問題の経緯などが不透明として一貫して西川氏の経営責任を追及していたわけです。ですから29日の日本郵政の株主総会が西川氏の再任を議決した場合でも、日本郵政株式会社法が規定する権限を行使して、再任を認可しない意向を示していました。



一方、西川氏を交代させれば、改革後退の批判を招きかねないとして、自民党の中川秀直元幹事長らは反発していました。党内を二分する対立に発展しかねない情勢なので、首相の早期決断を求める意見が強まっていたのです。 



これに対し、日本郵政取締役会の指名委員会は西川社長の再任を内定しました。郵政民営化を断行した小泉政権が頼み込んで民間から社長に迎えた西川氏は、民営化の象徴的な存在なのです。ここで西川氏の簡単な経歴を載せておきます。


本名    西川 善文(にしかわ・よしふみ)

生年月日  1938(昭和13)年8月3日

出身地   奈良県

学歴    1961年 大阪大学 法学部 卒業

経歴    1961年4月 住友銀行(現・三井住友銀行)入行。以来数々の職歴を経て現       在日本郵政の社長



では、次に会社の説明です。


日本郵政株式会社(にっぽんゆうせい、英称:Japan Post Holdings Co.,Ltd.)とは日本郵政グループの持株会社。子会社には郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険など。愛称は「JP 日本郵政」(英通称はJP HOLDINGS)。



郵便事業会社及び郵便局会社の発行済み株式の総数を保有し、これらの株式会社の経営管理を行うこと、並びにこれらの株式会社の業務の支援を行うことが目的です。


2007年10月1日の郵政民営・分社化に伴い日本郵政公社は解散され、全ての業務は日本郵政株式会社及びその下に発足する4つの事業会社(郵便局株式会社、郵便事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)へ移管・分割されました。



三井住友銀行出身の西川善文社長、横山邦男専務執行役、傘下にあるゆうちょ銀行の宇野輝常務執行役らの下、日本郵政傘下の各企業が三井住友色に染まっているとの批判もあります。




話を鳩山さんに戻します。認可権を盾に社長交代を迫る総務相に対し、政府・与党内で郵政民営化を支持する勢力は一斉に反発していました。両者の対立が泥沼化する中で浮き彫りになったのは、積極的に動こうとしない麻生首相の優柔不断ぶりでした。政府が株式を100%保有するとはいえ、民間企業の社長人事が政界を揺るがす政治問題となった揚げ句、社長の交代を求めていた所管大臣が、逆に首相から更迭されてしまったのは、極めて異常な事態だと言わざるを得ません。



麻生政権の閣僚が辞任するのは、中山成彬前国土交通相、中川昭一前財務相に続き3人目です。しかし、問題発言で辞任に追い込まれた国交相や、酩酊(めいてい)会見で醜態をさらした責任を取って辞めた財務相の前例とは、その性質も重みも決定的に違います。



鳩山総務相は「信念を貫くために辞めた」と記者団に語りました。形の上では首相による更迭ですが、実際は西川氏の続投を容認した首相に対して、鳩山氏の方が三くだり半を突きつけた形です。しかも、鳩山氏は自民党総裁選で首相の選対本部長を務めたので、側近中の側近だと言えます。日本郵政の社長人事で、大臣が首をかけるのは理解に苦しむところですが、「閣内の盟友にも見放された」という印象を与えてしまうので、首相にとっては大きな痛手です。

 

首相は国会で「郵政民営化に賛成ではなかった」と答弁して物議を醸したことがあります。今回も鳩山氏の顔を立てて西川氏の更迭に踏み切れば、郵政民営化の是非をめぐる党内対立が激しくなり、「麻生降ろし」に発展しかねません。おそらく、そんな政治的な判断が働いたのでしょう。



しかし、元をたどれば、郵政民営化に象徴される小泉内閣の構造改革路線をきちんと総括しないまま、中途半端な見直しを打ち上げる政治手法のツケが回ってきたと言えるのではないでしょうか。民意を問う政治決断を避けたまま、小泉政権下の郵政解散・総選挙で獲得した巨大与党の「数の力」をいつまでも頼りにする政治の限界を、あらためて露呈したとも言えます。なお、 鳩山氏の後任は佐藤勉国家公安委員長が兼務することになります。



今回のことは、政権運営上の大失態と言えます。政権が内部に抱え込んできた深刻な矛盾や対立が、一気に噴き出したようにも見えます。解散総選挙が近いと言われる中で、麻生太郎首相が被るダメージは計り知れないと思います。





posted by furisukii at 00:00| 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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