菅家利和さん(62)が6月4日の午後、釈放されました。
彼は足利事件の犯人として、千葉刑務所で服役していました。’90年、栃木県の足利市で女の子が殺され、彼が逮捕されました。2000年に無期懲役が確定していたのです。
DNA鑑定では、女の子の服に残っていた体液の型と、菅家さんの型が一致しなかったのが決め手となりました。しかしその鑑定結果は、5月に出されていました。再審が開始される前に刑の執行が停止されたのは良いのですが、釈放まで1か月かかったことになります。
彼が逮捕されたのが’91年の12月なので、17年半に渡って拘束されていたことになります。彼は2002年に再審を申請したのですが、その時は宇都宮地裁がDNAの再鑑定をせずに請求を棄却しています。
当時の科学警察研究所による鑑定は、千人に1.2人の確率で識別が可能と言われていました。つまり、1万人の容疑者がいたら、そのうち12人のDNAは同じものと鑑定され、識別できないわけです。それだと疑わしい人が12人いることになります。その程度の精度しかなかったわけです。
現在はSTRという検査法に変わり、4兆7千億人に1人の確率で識別できます。これは地球の総人口よりも多い数字なので、犯人を間違いなく見つけることができるわけです。
それにしても、17年間拘束された菅家さんの人生は戻ってきません。そして、この殺人事件は発生から15年以上たっているので、時効が成立しています。真犯人は、もう捕まらないのです。もしかすると、自分自身が菅家さんのように何年も拘束されるかもしれません。絶対にそうならないとは言い切れないのです。
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冤罪 ある日、私は犯人にされた
posted by furisukii at 00:00|
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